登園すると、子ども達は朝の支度をしてすぐに活動を選びます。
「今日は、何しようかな~」「昨日の続きをしよう!」など、登園してから活動を選ぶ子やお家から何をするか決めて登園する子もいます。
最近人気のお仕事(活動)は、「野菜の皮むき」「野菜を洗う」「卵を割る」「野菜や果物、豆腐などを切る」「お花を生ける」など、日常生活の練習をよく選びます。
道具の名前を覚え、準備や作業の仕方を理解し、根気強く作業を進めています。自身の手元に集中し、丁寧に作業をすすめる子ども達です。
環境に配慮した活動は、自分の事だけでなく誰かの役に立ちたいと思う子どもの願いが表される活動になります。「自分のお仕事により、誰かが喜んでくれたら嬉しい」という、社会性を育むための大切な活動です。
下の写真は「桃色の塔」という教具で、大きさの違いを区別する「目の教育」に役立つ教具です。桃色に塗られた10個の木製の立方体。各辺の長さが10㎝~1cmまでの順に減っていきます。最初は10㎝のブロックからスタートし、ブロックが段々小さくなりタワーのように積みあがります。途中、大・小の順番が違ってしまったら、子どもは気付いて正しい順番に訂正します。(自己訂正)
子どもは自分で観察力を養い、物体同士を比較し、形を考え、推理をし、決断を下します。この練習を何回も繰り返すことにより、注意力や思考力が身に付き、精神的な発達が引き起こされます。
たくさんの活動により、書く準備が整った子は、「書く」お仕事(活動)を行います。
下の写真は、「小さい黒板」という実際に書くための練習に使われる教具です。初めは「砂文字板」を指でなぞって文字を書く練習をします。次にチョークを使って、次にペンを使ってなぞり書きの練習、文字の書き方練習の最後は、枡目のある紙を使ってお見本なしで書く練習に移行していきます。枡目のある紙での練習をする頃には、文字の形や書き方の順番がわかり、お見本がなくても一人で文字が書けるようになっています。
下の写真は、数の紹介で使われる「数の棒」という教具です。数教育の初めの段階に行われる活動で、数の概念を習得します。「数の棒」という具体物を使って数える活動をし、次に砂数字板を使って数字(抽象)を理解します。そして、具体物と抽象(数)を一致させる作業に移行していき、数の概念を与えます。
モンテッソーリ教育では、「自由」が与えられます。それは、自分勝手に動き回ったり好き勝手することではなく、①活動を選択する事ができる ②自分で活動を始める事ができる ③自分で活動を終わりにすることができる 自由です。その反対に、活動の邪魔になる事には制限が入ります。
整備された環境の中で自由が与えられる事により、子どもは集中して作業に取り組みます。集中作業を繰り返す事により、精神が発達し人間としての成長がすすみます。
子どもの家は、子ども達が自分で意思決定し、邪魔される事なく満足するまで活動を繰り返すことができる環境となっています。